本や映画のレビュー | ★デイリー・ロク★
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「ゴキゲンに生きる」3000の知恵
おちゃらけ家族10年間の記録まだまだ更新中

『広島県謎解き散歩』

 
知ったかぶり人間である。

知ったかぶり人間は、
こういう雑学本が好きである。

特に自分が住んでいる
広島県の雑学本となればなおさらである。

そのうえ「謎解き」と付けば
ミステリ好きにはたまらない。

…というわけで、ゆめタウン吉田の
「ゆめ書房」で、脊髄反射的に購入。


目次を開くと
「・・・とは?」
とか
「・・・って何?」
などと、
いかにも謎解き風の見出しが並んでいる。

だが残念ながら、それに対応する本文は
すっきりした解答になっていない例も
わりとあった。

たぶん本文が書かれた後に
別人が見出しを考えたので
とってつけたように
なってしまったのではないかと思われ。

まさに「おしい!」


しかし、その中身は
わりとコアな知識が満載で。

それをここに書いてしまうと
ネタバレになってしまうので、
クイズ形式にしてみました。

いずれも超難問(だと思う)。
「もみじ饅頭」が登場する
明治中期ごろ以前に
宮島の名物として人気を博していた
お菓子の名前は?
明治40年に開催された
第1回清酒品評会(醸造協会主催)で
一位になったのは藤井酒造の「龍勢」だが、
第二位の銘柄とその蔵元は?
北海道や東北にまで
その功績をたたえた石碑が残る、
現在の広島市安佐北区白木町出身の
「炭焼きおやじ」とは誰?
船の用材として適している
「榑」という木は
安芸の特産品であると
11世紀初頭の書物に書かれてるが、
さてこの「榑」は何と読む?

どうです。なかなか刺激的でしょ?

ちなみに、「榑」とは
「榑桑」のことではないかと
個人的には思ったりしています。
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『トロッコ』



DVDで観賞。
(※以下、ネタバレっぽい記述あり注意)

尾野真千子が、子育てに悩む母親を
たどたどしくも真面目に演じている。

男の子の兄弟たちもよく表現されている。
長男(敦)の鬱屈した心情、
次男(凱)の天真爛漫で小ずるい性格。

私事だが、田舎に住んでた小学生の頃、
親父に連れられて街に出て
「バスセンターで待っとけ」
と言い置かれて、市街地のど真ん中に
弟と二人で置き去りにされた経験がある。

親父にしてみれば、
何度も来ている街なので
そのくらいわかるだろう
と思ったのだろうが、
私の方向音痴は今に始まった事じゃない。

時間にすれば
30分も経っていなかったのだろうが、
歩けども歩けども
バスセンターは見つからず、
保育園児だった弟は途中で泣き出すし、
ほとほと途方に暮れた。

この映画の中の兄弟と
似たような経験をしたわけだ。


「母さん、僕のこと嫌い?」
最後に、敦が母親に訊く。

胸が詰まった。

口に出さないまでも、幼いころ
そういう問いを心の中で発した人は
多いと思う。

親には親の人生がある。
そのことを子どもが理解するまで、
親は親でいるべきなのかも知れない。


そのほか印象に残ったこと。

かつての
台湾と日本の関係を思わせる台詞を
祖父が言う場面があるが、
あまり大きなテーマとして
とりあげられているわけではない。

台湾がロケ地として選ばれたのは
たぶんあの美しい森林があり、
まだトロッコが使われていたからだろう
と思う。
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『阪急電車 片道15分の奇跡』

 
TV放送の録画で観賞。
録画を消さずに残しておいてくれた妻に
感謝。


ほぼ1年前に公開されたとき、
その広告を眺めながら
なんとなく「見たいなー」と思っていた。

電車が好きだからでもある。

先頭車両の運転席の後ろから
前方を眺めるだけで
幸せな気分になれる。

ローカル線に乗ると
駅に着くたびに様々な人々が
乗ったり降りたりして、

それぞれに皆
人生というものをかかえていて、

だからたぶん小さな小さなドラマが
それこそ毎日のように
車輌の中では起こっているに違いない。

そのどこにでもあるようなドラマを
大切にすくいとるようにして
作られた物語だ。

人はそれぞれ皆、
いろんなやりきれない気持ちを
かかえて生きている。

死ぬほど辛いわけではないけれど、
どうにもならない思いをかかえて生きている。

そして、その気持ちは、誰にも言えないのだ。

誰かに言っても仕方のないことだと
あきらめるしかない。

みんな、そう思っている。

自分自身で解決するしかないんだ。

この世界には、
こんなにもたくさん人がいるのに、
同じ場所で同じ時間を一緒に生きている人が
こんなにもいるのに、
それは、何の意味も持たない。

名前も知らない人たちは
私の人生に何の影響ももたらさないし、
私の人生も、誰にも何の影響も与えない。

世界なんて、そうやって成り立っているんだ。

そう思っていた。

でも―――。

原作は読んでいないが、
冒頭で主人公が独白するこの一文は
たぶんその引用であろう。

この作品をとてもよく説明していると思う。

そして、
その説明から予測されるとおりの展開で
予定調和的にストーリーは進んでいく。

随所に挿入される
駅の風景や電車のカットが素敵だ。

で、やっぱり最後にほろっとさせられる。

それが心地よくて2回も見てしまった。

まあ現実はこうはいかない。
だからファンタジーなのだとは思う。

でも、悪くはない。


個人的には、谷村美月と勝地涼が演ずる
ちょっと変わり者同士の恋愛模様が
いちばん面白かった。
「なんか、珍しい物とか知らん物みつけると
 嬉しくないですか?
 なんか、得した気持ちになるし。
 だから、今日はラッキー」
ニヤニヤハラハラしているうちに
遠い遠い昔に感じたことのある
「恋するキモチ」を
ほんの少しだけ呼び覚まされた。


映画の最後には
世の中を生きづらいと感じている人が
笑顔を取り戻すのだけれど、

世の中を住みづらくさせている人たち、
たとえばあのDV男とか
電車の中で大声で喋るおばさんたちが
結局救われないまま終わったのは
小さな棘として心に残った。

せっかくファンタジーなんだからさ。

彼ら彼女らにだって
幸福になる権利はあるわけだし。


そんなこんなで、☆は4.6個。
電車のぶんだけ甘くなった。
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『プレイフル・シンキング』

 
どんな仕事もやってるうちに楽しくなる。

課題を与えられ、
クリアすれば達成感がある。
褒められたりボーナスが出たりする。
そういう経験を何度も積めば
仕事が面白くなってゆく。

ゲームに「ハマる」のと同じ心理で
人は仕事に「ハマる」。

経営者が従業員を
マインドコントロールして
気持ちよく仕事をしてもらうための
いろんなノウハウがある。

この本の前半は
そんな技術を想起させる記述ばかりで、
途中で何度も嫌気がさした。


しかし第4章以降は
それまでの章とまったく様相が変わる。

何かを共同作業で作りあげていくとき、
役立ちそうなアイデアが
たくさん掲げられている。

私が「目から鱗」だったのは
『アウトプットは完全でなくてもよい』
ということだ。

頭の中で考えていることを
一度「外に出す」ことで、
新しい視点が見つかったり
思考の整理ができたりするのは
これまでも知っていたが、

そうやって「表現」されたものは
静的で固定したものではなく、
むしろ外に出した瞬間から
どんどん変化させて
いくべきだということ。

「表現」の上での変化が
脳内の思考に刺激を与えて
さらに進化する。

これは特に共同作業で
すごく効果的な方法だ。


もうひとつ興味深かったのは、
インタラクティブな博物館の話。

ふつう、博物館の見学者や参加者は
展示物や展示空間などの
対象や環境から影響されるけど、
影響を与えることはない。

しかし、やり方によっては
参加者が展示物に変化を与えること、
それ自体を展示の目的とすることも
可能だということ。

プログラミング言語を用いて
パソコンの画面上に
絵を描こうとするとき、
出来上がった絵だけではなく、
試行錯誤の過程も「作品」である
というような。


最後に、「自信」について。

あることが「できる」という自信は、
なにも自分がそれをやらなくてもよくて、
それを「やったことのある」友達を
「連れて来ることができる」という
自信でもいいじゃないか、という話。

これはけっこう重要なことだ。
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『いけちゃんとぼく』

 
DVDで観賞。

不覚にも泣いてしまった。

なんだかよくわからないけど、
こいつは、平成の『さびしんぼう』だ。


物語中、《いけちゃん》が
子どもの成長を自転車の練習にたとえて
独白するところがある。
「自転車に乗るためには、
 最初うしろを持たれて走るじゃない?
 でもそのうち、その手を追い越して
 勢いがついていく。
 
 おめでとう。今日キミは
 本当に一人で漕ぎ出したんだ」

そうなんだよな…。

あんなにふらふらしてたのに、
いつのまにしっかりと漕ぎだして
もう追いつけないくらい先まで
遠くまで行っちゃうんだよな。

親は、それを
喜んでやらないといけないんだよな。

私の親たちも、私の後ろ姿を
そんな寂しい笑顔で見送った日が
あったんだろうか。


では、心に残ったセリフの抄録。

「世界中で、人より早く大人にならないと
 いけない子どもっているんだよ」

「あのね、君はね。弱虫で、つよ虫で、
 意地悪でやさしいの」

「いっそ死んでまえば伝説になって、
 毎年あのカーブで
 ヤンキーが煙草で焼香してくれるのに」

「あーあ、あたしもどっか飛んでいきたいわ。
 この街に残ってる女はダメな側の女や。
 わたしは出て行く側になる」

「ヨシオを神隠しにするのだけはご勘弁を」

「サヨウナラ。わたしたち
 とても短い恋をしたの」



そうそう、忘れるところだった。

きょうちゃん、いいよなあ。
 
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『ツレがうつになりまして。』

 
とてもよい作品。

宮崎あおいという女優さんは
とりたてて好きなタイプではなかったが、
最後の方では
可愛く見えてしょうがなかった。


この映画がうまくいっている理由は、
主人公(晴子)のツレ(旦那=幹男)が
うつ病になったことの
周辺だけを描いているからだと思う。

社会問題だの、変にいろんな要素を
持ち込もうとしなかったのがよかった。

焦点を絞ったせいで、脇役の人物像が
薄っぺらくなってしまっている
かと思いきやそうではなく、
この作品ではそれぞれの個性が
ちゃんと立っている。

特に、
幹男の会社の同僚(後輩)を演じている
中野裕太がいい味を出している。


気に入ったセリフを書き出してみる。

「人間の心って不思議だね」
これは、晴子の母親の言葉である。
しみじみと語られると、
本当にそうだよなぁと思ってしまう。

この母親の存在が
晴子がくじけないでいられたことの
大きな要因になっている。

「最近思うんだ。
 ツレがうつ病になった理由じゃなくて、
 うつ病になった意味は何かって」
こんなふうに考えられるようになると、
たいていの困難は乗り越えて
いけるのじゃないか。

「ツレがうつになりましたって
 言えた自分が嬉しかった」
ツレがうつ病であることを
どこかで恥じている自分がいた。
それに気づいたときの晴子の言葉。

「自分のために治りたいんです。
 他の誰かのためじゃなくて」
自分が病気だと家族が迷惑だから
治らなくちゃいけない、のではない。
それに気づいた幹男の決意表明。


結婚しない主義の人がこれを観たら
結婚したくなってしまうんじゃないかな。

夫婦が支えあうだけじゃなく、
みんなが支えてくれて生きているんだ
ということ。

人に支えられることは喜びであり、
人を支えることもまた悦びである。


本当は夫婦二人で観たいけど、
照れくさくなってしまいそうな気もする。

そんなこんなで、私の評価は★4.3。
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『人が集まる!行列ができる! 講座、イベントの作り方』

 
著者は、大田区立男女平等推進センター
「エセナおおた」に勤務する職員である。

こういった団体の催すイベントや講座は
えてして人が集まらないのが相場だが、
「エセナおおた」では
彼女が企画に関わるようになってから
平均申し込み倍率3.3倍という
数字をたたき出した。

広告代理店などの
勤務経験があるわけでもなく、
コピーライターやデザイナーとしての
修行を積んでいたわけでもない。

たぶんトライ&エラーを重ねながら
知らず知らずのうちに
コツをつかんで行ったのだと思う。

そのコツを、彼女は
 講座に人を集めるポイントはたった二つです。
一つめはいろいろな人が抱えている課題を分類しターゲットを徹底的に絞るということ、二つめはそのターゲットの心に響くタイトルをつけるということです。
と言い切る。

そのポイントに基づき、
具体例やエピソードを紹介し
ひたすら解説しているのが本書である。

個人的経験から導かれていればこその
素晴らしさがあると思う一方で、
書いてあることの応用範囲は意外と
狭いかも知れないという懸念も感じる。

大衆のモチベーションは常に
揺れ動いているから、
社会のニーズも
人目を惹くタイトルのセンスも
時代とともに変わっていくだろう。

だから本書から
われわれが本当に学ぶべきなのは、
「人が集まらなかった理由」を探して
開き直ってそこに安住するのではなく、

「どうやったら人に来てもらえるか」を
真剣に研究し努力した
その前向きな姿勢ではないだろうか。

…ってことで、おすすめです!
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『シュナの旅』

 
宮崎作品の原点っぽい感じがする。

舞台設定はナウシカに近いけど、
もののけ姫で見たような場面や
湯婆婆に似た登場人物も。


冒頭、主人公のシュナの住む
貧しい国の様子が紹介される。

人々は痩せた土地に作物を植え、
わずかな収穫にも感謝して
日々を送る。
くち果てるまで
働いて
死んでいく……

なんて
悲しく 貧しい
人生だろう

なんて
美しく 無慈悲な
自然だろう
これは、ラピュタで詠まれた詩
土に根を下ろし、風と共に生きよう
種と共に冬を越え、鳥と共に春を歌おう
と対偶をなす言葉だと思う。

言っておくが「対極」ではないよ。


さっき「原点」と書いたけど、
宮崎作品のテーマは
「自然と人間」であることが多い。

この作品もそうだ。

そこには共通して
人という生き物に対する
「悲しい眼差し」があると思う。

言っておくが「人類」ではないよ。

確かに主人公は
「人類」を代表しているかも知れないけど
描かれるのは主人公の人生であって
読者(観客)にはまた別の人生がある。

宮崎監督はそれを観客が知っていることを
前提にして語っている。


まるでエスキスのような
淡々とした語り口だが、
エンターテインメントとしても
素晴らしい出来栄えである。

いわゆる冒険譚である。


私が手に入れたのは文庫版だったので
文字が小さく、
絵とかぶっているところは
判読しにくい個所もあった。

もっと大きな版で読みたいと思う。

…っていうか、
なぜアニメ作品にしないのだろう。

これほどまでに
「生きる意味」を問うた作品は
今まで無かったのに。

少し地味すぎるのかな。
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『博士の愛した数式』

 
作家にもやっぱり
レベルの差ってのが歴然とあって。

最近(と言ってもここ数年)読んだ中では、
志水辰夫
  

金城一紀
  

南木佳士
   

の三人が最高だ。

もっともこれには
個人的な好みも多分にあるとは思うが、

とにかく
私がいちばん最高だと考える作家に
小川洋子さんが加わったのは間違いない。

頭の中から
これほどの物語を紡ぎ出す才能には
敬服する。

本当に凄いと思う。

そして文体が簡素でわかりやすく、
絵に描いたように明確で、

さらに、独白体で
感情が抑制されているにもかかわらず
情感が漂ってくる。


初版はだいぶ前の発行だし
映画にもなったので
ストーリーはもう
説明するまでもないだろう。

80分しか記憶がもたない老数学者と
家政婦とその息子の物語である。

この老数学者の境遇に
ちょっと憧れたのは
私だけではないと思う。

とりあえず食うには困らない生活。

身のまわりの細々したことは
家政婦さんがやってくれる。
(そのうえ料理も上手いらしい。)

よけいな瑣事は気にせず、
自分の頭の中だけを相手にして
暮らしていけばよい生活。

憧れるなぁ。…憧れちゃいます。

小柄で猫背で遠慮がちで、
着るものに頓着しないなんて、
もうまるで私自身。

寺尾聰よりうまく
役をこなせる自信があるので、
再映画化する際には
ぜひお声がけをお願いする次第。


 
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映画『はやぶさ 遙かなる帰還』



『プロジェクトX』的な、
いわゆる“男のドラマ”に仕上がっている。

脚本はかなり練り込まれていて、
結果がわかっているのに
はらはらさせられる。

行方不明になった探査機から
反応があったときなど
思わず拍手しそうになった。


イオンエンジンの中和器とスラスタを
クロス運用させる場面が一番の圧巻。

意見を戦わせながらも、
プロジェクトマネージャーの
リーダーシップに従う技術者達の
熱い魂に感動した。

クロス運用は
もっと簡単にできたのかと思っていたが、
プログラムの細かな修正を
夜も寝ないで何度も重ねていたのだ。

ちゃんと残業代をつけてあげてほしい。


また、技術者や科学者が
自らコードを書いていることも
初めて知った。

コンピュータを道具として使うには
やはり自分が直接指示命令する能力を
身につける必要があるのだ。


渡辺謙は“怪演”と言っていい。
プロマネの「ちょっと浮いた感じ」を
うまく出していたと思う。


そんなこんなで、私の評価は★4つ。


  
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